*** 「チィース」 俺はいつも通りに冷さんのバーの扉を開けた。 「よぉ!今日は早いな。ラック」 冷さんもいつも通りカウンターでコップを磨いていた。 「あれっ?ヒースは?」 店の中には誰もいない。 「私がなに?」 「うわっ!ヒース!いつの間に…」 突然ヒースが後ろから現れた。 ほんと、神出鬼没… 「ずっとラックの後ろ歩いてた」 月乃はあの事件以来、初仕事。 まぁ、身なりとかは変わってね―けどヒースの黒の服装が懐かしく思える。 「なら、声かけろよ」 結局、行先は同じなんだしさ。