ワイヤーを投げつけた瞬間、



“ズキッ!!”



と腰のほうから強い痛みが走った。




そして暖かいものが流れる感覚だけ残る。



「うっ!!」


ゆっくり後ろを振り返ると



「隙ありやな」



ニヤリと笑った鎖紺がいた。



私は鎖紺に後ろに回りこめられて刺された。



ポタッ…ポタっ…と私の血が落ちて、黒色の服が血に浸っていく。



「ヒース、油断……っ!!」



言っている途中に鎖紺の顔が歪んだ。



そして鎖紺はバッと私から距離をとった。



鎖紺の白いシャツの腹部がジワジワと赤く染まってきた。



「お前…!」



凄い眼光で睨んできた。



私の作戦は成功した。