まるでラックと私達の空間が違うように雰囲気が違う。




すると鎖紺が少し左に動いた。



それに合わせて私も左に動く。



「なぁ、ヒース。数年前…俺らが初めて会ったときのこと覚えとるか?」



おもむろに鎖紺の口が開いた。



「…忘れもしないわよ」



出来れば忘れたい記憶なんだけどね。



「あの頃、俺らは1回戦ったよな?」



「えぇ」



鎖紺が周りぐどい言い方で迫ってくる。



「そんときは…俺の圧勝やったよな?」



そう。

数年前、1度だけ戦ったことがあった。



鎖紺が私の力を試すために。



その時は私の力は未熟でまったく歯が立たなかった。