闇の花~2人の殺し屋~

「いや…。ヒースがワイヤーを引いた時、手が少し変だった気がしたからさ。

まぁ、俺の勘違いかもしんねーけど」



ほんと、気づいてほしくないところは目ざとい。



「そ。それはラックの勘違いね」



私は気づかれないように言い捨てた。








…おかしい。



さっきから私達は順調に発信器に近づいている。



それはいいのだが…あまりにも人がいない。



さっきの2人組みを倒した以降、誰にも会わないどころか人の気配すら感じられない。



しかもトラップもないのは、おかしすぎる!




「なぁ、ヒース。この基地…おかしくないか?」



ラックもやはり気付いたみたいだ。



「えぇ。人がいないわね」