「それにな…」


「ムカつく……」



私はポツっと呟いた。



「えっ?」



ラックにはさっきの言葉が聞こえなかったみたいだ。



「だからムカつくって言ってんの」



私はさっきより低い声で言い放った。



「だろ?鎖紺の奴を見返してやれよ」


「私がムカつくのは、ラックのことよ」



私はラックを見上げた。



「??」



ラックは『俺?』ていう顔をした。



「さっきから聞いてみれば、なに?
『私を守るつもりできた』、『自分の心配をしろ』って…なにを寝ぼけたことを言っているの。

私はあなたに守ってもらいほど弱くない!」



さっきから聞いていれば私は弱いみたいなことを言って…