「私はなんのために生まれたんだろうね…?」
ずっとここに閉じ込められていて少し気がおかしくなったのか少し笑えた。
--…生まれたときから私の居場所なんてなかった。
親には捨てられたも同然の扱いをうけ、毎日無意味な生活を送っていた。
そんな私に初めて“意味”を教えてくれたのは冷さんだった。
冷さんは最初、私を見たとき『人形みてーだな』と言った。
その言葉はなんだか嬉しくて、けど虚しく感じた。
初めてだったんだ。
外見じゃなくて中身の私を見てくれたことが。
そして同時に私はやっぱり周りとは違うんだって思い知らされた。
だから見つけたかった。
“私”という存在を。