その部屋はコンクリート造りで窓は上のほうに1つあって朝日の光らしきものが入ってくる。





「もう…朝なのかしら」



光が眩しい…




それ以外は何もない殺風景な部屋。



目の先には頑丈なドアと木の扉がある。



“ギィ―…”



すると頑丈なドアが開いた。





「よぉ!目覚めたんやな、ヒース」


入ってきたのは嬉しそうな顔をしている鎖紺だった。




「気分はどうや?」



「…最悪よ」


私は片手で頭を抱えた。





この状況を見ればだいたい察しがつく。



あの時…私が廃倉庫で倒れた後、たぶん鎖紺は私をここまで運んできたんだろう。



いわゆる…私は鎖紺に“誘拐”されたんだ。