バーには誰もいない。



奥の部屋かしら?



私は進み、奥の部屋の扉の前に立った瞬間、




-っ!!



異様な殺気を感じた。





これは……



私はすぐに持っていた短剣を握り、わざと扉の前で音を鳴らした。






予想通り扉が開いた。





‥冷さんじゃない。



私は即座に相手の首元に短剣を突きつけた。





「--なにすんだよ…」



ダルそうな男の声が聞こえた。





さっきの殺気はこいつのか…







「ヒース、剣をひけ。あと部屋に入れ」


部屋の中で冷さんの声が聞こえたので私は剣をひいて部屋に入った。






「ったく…。いきなりなにすんだよ」


男が言った。





「ヒース。こいつがラックだ。ラックも、さっき説明したヒースだ」




やっぱり…こいつがラックなんだ。