さっきから穏やかにしているがそこらへんの殺し屋とは雰囲気そのものの格が違う。
隙なんてものは微塵もない。
こんなたわいのない会話さえ気が抜けない状態だ。
「で、学校に来てまで私になんの用なの?」
とうとう本題を切りだした。
「用って…ほんまはわかってるやろ。ヒース」
鎖紺が不敵に笑う。
まぁ…なんとなくはわかってるけどね。
「実はな…ヒースに仕事の依頼があるんや」
「断る」
私は即答した。
「フッ…。即答かいな。そうやって数年前もお前は断わったな~」
「当たり前でしょ。
それにあなた達の組織には有能な殺し屋が多くいる。
よりによって私みたいな殺し屋に依頼する必要がないはずよ」


