「…私がもう少し早く対応すればあなたは怪我をせずに済んだのに…。今回は私の責任よ」
珍しく…いや、初めてヒースが謝った。
「そ、そんなことねぇぞ!俺だって今日ミスしたし。
だからこれでお互い様だろ?なっ?」
いつも強気な月乃がそう言うと調子が狂っちまう。
「だからさ…“責任”とか言うなよ…」
俺はお前の申し訳なさそうな顔は見たくない。
「…わかった。ぁりがとぅ」
!!
最後の言葉は小さかったが確かに聞こえた。
初めて月乃に『ありがとう』って言われた。
それだけなのに、すっげー嬉しい!
「そういえば月乃の部屋って物少ないよな」
「そうね。寝るぐらいにしか家は使わないから」
そう言いながら月乃がキッチンから出てきた。


