俺はナイフの男から切りつけられた後の記憶がない。
「あー…、山岸が男に切りつけられた後、私は冷さんに連絡をしたの。
そして現場から1番近かった私の家まで運んでもらったわ」
月乃はキッチンで何か作りながら答えた。
「背中の傷はあまり深くはなかったけど出血が激しかったから今日は安静に寝ていることね。
明日は学校も休みだったし良かったんじゃない」
そういえば服が任務のときと違っている。
もしかして…
「服ってさ…もしかして月乃が着替えさせてくれたわけ?」
俺はドキドキしながら聞いてみた。
「なわけないでしょ。傷の手当ても服も冷さんがここに運んでくれた後にしてくれたの」
冷静に言い返された。


