ドアが閉まり13のボタンを押した。

『指紋を採取します。…稲ヶ崎様。お待たせ致しました。』
機械がそう言うのと同時に、エレベーターが動き出した。

「俺達の指紋が鍵なんだよ。他の生徒が行かないようになってるんだ。」
「他の生徒がこれないんですか?」
「俺たちは特別なんだよ。」
「特別…」
「他の生徒は、俺達を羨ましがっている。危険すぎるから、教室を別にしてもらい、寮も別にしてもらった。」
「そうなんですか。」
『ポーン。最上階13階です。』
「降りようか。」
「は、はい。」
「そんなに緊張しないで。」
「あ、すいません。」
「もしかして、高い所苦手?」
「はい。苦手です。」
「安心して。俺が隣にいるから。」