【水葉サイド】
俺は、羽亜のことを抱っこしたまま、会場に入った。

会場に入ると周りがザワついていた。

『あの人たちが王じゃない?』

周りの声が聞こえたのか、羽亜は照れている。


「気にするな。俺がついてるから…」

「う、うん。」

俺は、羽亜を下ろした。

「席ってどこかな?」

「俺と羽亜は同じ場所だよ。」

「そうなの!?」

『失礼致します。私は、この学園の生徒代表です。』
俺たちの前に男と女がいた。

「いや、生徒代表は君じゃないけど?俺たちだから。」

『あ、失礼致しました。私は庶民代表です。』

「そ、でなんの用?」

『王としてお言葉が欲しいと先生が言っておりまして…』

「そ、じゃ、なんか話すから」

『ありがとうございます。』


「私たちも、なにか話すの?」

「らしいね。」

「何、話そうかしら…」

「簡単でいいと思う。」

「だよね!」


俺たちはソファーに座り、しばらくして
入学式が始まった。