「やめて下さい」



唇が離れ少し赤い顔をした流湖は、力なさげに呟いた。

そして俺に背中を向ける。



「嫌だった?」



普通は嫌だよな?

わかってる。

なのに、俺は何してるんだ?


自分で自分がわからない。



流湖は切なそうな表情を浮かべた顔で振り返り、一瞬合わせた目を逸らすと前を見直し

『碧く……ん?』

戸惑った声を出した。



柏原の元へと寄り話しだした流湖を見て、生徒会室のドアを静かに閉めた。


柏原に今のを見られたかもしれない……。



そんな事よりも、俺は何をしたんだ?

その気持ちの方が大きかった。



もし、俺が教師じゃなくても、ただの男だったとしても……


俺を愛してくれますか?