えっ? 何?
2人の光景を見て、一瞬にして固まってしまったあたしに
「って事で頑張ってね」
流湖ちゃんは、手をヒラヒラと振り図書室から出て行ってしまった。
「んっとに、流湖さんは」
見送るあたしの隣でブツブツ言う。
まだ少し赤い顔をした碧君を見て、
チクッ
て胸の奥が痛くなった。
碧君は、流湖ちゃんが好きなんだと思う。
流湖ちゃんと話す碧君は、顔が赤くなる時が多いもん。
それに明らかに、あたしと流湖ちゃんの態度が違い過ぎる。
だけど流湖ちゃんには彼氏がいる。
碧君は知ってるのかなぁ?
うーん……何かモヤモヤする胸の奥。
「……いっ! おいっ!」
「はっ、はい!?」
耳元で叫ばれたあたしは、大声で返事をした。
しかも敬語で。
「ボーっとすんなよ」
呆れた顔で指差すカードの山。
引き戻された現実。
そうだったぁ。
これ終わらなきゃ帰れないんだった。
サッサッと終わらせなきゃね!
よしっ! と気合を入れたら、
「てか、早くしてくんない?」
と冷たい言葉が返ってきた。

