無口なDarling



久しぶりの電車でのデート。いつもはバイクだから、ゆっくり喋れるって思ったのに、喋る元気もでない。


あの人・・・猛の元カノなんだよね・・・すごい美人だった。


私とタメなはずなのに、妹って・・・


しかも否定できない容姿な、自分が嫌だ。


今まで考えた事もなかった猛の過去。猛はカッコイイし、モテても不思議は無い。


キスもエッチも上手だし。私なんかの経験不足な女の子で、よく満足するなって位。


・・・・満足してなかったりして・・・


あんなナイスバディーと付き合ってたのに、急にこんなキューピー体系の私で満足するはずない。


あーあ。


私、いつからこんなマイナス思考になったんだろう。



全部・・・猛がカッコイイのがいけないんだよ。


そんな自分が嫌で、一瞬でも早く猛の隣から離れたかった。



だから地元の駅に着いた瞬間猛を置いて走り出した。


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「おい!」


家に着くちょっと前。猛に捕まってしまった。


「なにっ」


泣き顔なんて、みられたくないよ。


猛の方は向かずに答える。


お願いだから今日は帰って。こんな嫌な所みられたく無いから・・・。


付き合っていくうちに、どんどん嫌な所を見られちゃう。


すっぴんも嫉妬も・・・猛の前ではいつだって笑っていたいのに。


私ばっかり嫌な所があらわになる。


付き合ってても猛は嫌な所なんて無くて。


逆に良い所とか、可愛い所ばっかり増えていくのに・・・