無口なDarling



声を上げて泣いた。


嬉しくて、本当に嬉しくて。


小学生みたいに思いっきり泣いた。



呆れた顔をした猛だったけど、猛もすごい嬉しいはずだよね?



「猛っ・・・本当にお疲れ様っ」


「合格祝いに何か食いに行くか?」


「それ!良いねっ」


盛り上がっている私達を横目に猛は大あくび。


「わり。俺寝る」


片手で口を押さえながらさっさと玄関に入っていく猛。


「ちょ!猛ー!?」


そんな!あんなに感動してたのに!


「まぁまぁ。猛は昔からこうだって」


麻生君はヒラヒラと手を振り、慣れたように帰り道を歩き出した。


「澄子!早く来いよ」


玄関のドアを開けながら猛がそう叫んだ。


「え・・・寝るって・・・」


キョトンとする私に、猛は意地悪そうに微笑んだ。



「二人っきりになりたかったに決まってんだろ?」


ドアを背中で開けたまま、猛が両手を広げた。


「澄子。待たせてごめんな」


フルフルと首を横に振る私。


泣きすぎた目に、再び涙が溢れて少ししみる。


「もう、これからはずっと傍にいれるから」


だから、



「早く来いよ」


そう言って、嬉しさで動けない私の元に猛が駆け寄って来て・・・



ギュッと抱きしめてくれた。