「・・・まぁ・・・」
ワンテンポ遅れた猛の返事に、私は察しが付いてしまった。
「うか「大丈夫だよ!!猛っ!」
ぎゅっと猛の手を握り締める。
溢れてきそうな涙を必死に飲み込み、ぐっと我慢する。
「あと1年でも、2年でも・・・待ってるからね」
離れていた時間はあまりにも辛かった。
だけど猛のためならどんな事だってっ
「・・・盛り上がってる所悪いけど。受かった」
ポンっと私の頭を叩き麻生君の方へスタスタと行ってしまった。
へ?・・・へ!?
「お~良かったなー猛!お前もこれで春から大学生かよ!」
「うるせ」
麻生君は普通に猛と会話を交わしている。
どうして?
どうしてそんな普通なの?
私なんて、何故だか震えが止まらないよ・・・。
「模試で猛A判定出てたしなぁ?」
そんな問題じゃ無い。
合格って事は、今までの猛の努力が実ったって事。
苦しみも、悲しみも、全て喜びに変わったって事。
「澄子?」
「・・・」
良かった、良かったの。
本当に良かったの・・・
「あ~あ。澄子ちゃん泣いちゃった」

