無口なDarling



「猛に、相談してくるっ」


「うん。そうしなぁー」



すっと立ち上がり、教室を出て猛の教室へ向かう。



先生にお願いしたものの、3年になっても猛と同じクラスにはなれなかった。



パタパタ



駆け足で3つ離れた猛の教室へと急ぐ。



猛の教室と私の教室の間にはトイレがある。



それを通り過ぎると同時に男子トイレから一人の男の子が出てきた。



「わっ」


いきなり出て来たのでビックリすると、そこにいたのは大八木君だった。



「佐々木さん」


ただ名前を呼ばれただけなのに、ブルっと身震いがした。



だってすごく顔がニヤニヤしていて少し不気味だったから。



「お、大八木君」


「佐々木さん、僕の手紙見てくれたの?」



!!



やっぱり彼だったんだ。


「あ。うん・・・見たんだけど私ね?彼氏いるから他の男の子とメールとかは出来ないよ~」



ニコっと笑いながらそう言うと、グイっと腕をつかまれた。



「痛っ」


ギリギリと腕を掴む力を強くしてくる。


フンフンっと鼻息を荒くしながら私の顔を見つめてくる。



(怖い~~)