無口なDarling



「ん?」


クラスの女の子の何人かが近寄って来た。



「今の男!大八木って言うんだけど・・・ロリコンでアニメオタクって有名だよ~」


・・・大八木?


「澄子、ロリコンに好かれそうな顔だし気をつけなよー?」


「ロリコンって何よー!失礼ー!」


キャハハっと笑いながら友達とじゃれあいながらも“大八木”って名前がちょっとだけ引っかかっていた。



もしあの紙を置いたのが彼だったら・・・なにか言った方がいいのかな?



「澄子?ちょっとロリコンとか怖いしさ。柚木君に言った方がいいよ~」



「でも彼って決まってないし・・・」



そうだっクラス名簿に名前載ってるもん。それで下の名前を見ればいいんだ!



パラパラっと、教卓に置いてあるクラス名簿を開く。



そこには30人以上の名前が書いてある。



「お・・おお、大八木!あった」


【大八木 大】


「あれ?犬じゃない。違うのかな?」


「んー?でも漢字似てるね」



大と犬って確かに似すぎだよね?



「もしかして、大って書いてあったのかな?紙の汚れとかで犬って見えただけで!」



「そうかもっじゃあ紙を置いたのはあの大八木君って事かな?」