無口なDarling

「・・・ん」


「ん、じゃなくて、ちゃんと言葉にしてよ~!」



うえ~んと泣き出した澄子。



・・・


そんな澄子にかまわずに、身体に触れようとするといつもでは考えられないような力で俺を押しのけた。



「・・・」



「好きだって言ってくれなきゃ触らせない♪」


ニヤっと笑う澄子は、いつもの澄子ではなかった。



「・・・お前、俺にそんな口聞いていいわけ?」


「ふんだっ!いっつも好きとか、そうゆうのを言うのは私だけなんだから!」


・・・多分これは本音だろう。


でも“好きだ”とかはちゃんと意識があるときに言ってやりてぇし。


「・・・ン!」


強引に唇を奪うと、いつもと同じ声で鳴き始める。



いつもと同じ唇の感触。



同じ鳴き声。



ただ違うのは、口内が酒にまみれてること。



・・・これじゃあ俺も酔いそうだ。