無口なDarling


屋上でいつものように澄子と飯を食っているはずなのに、澄子は上の空。



俺が無口なせいで、澄子が喋らないと会話が無い。



「・・・」



そんな様子にも気づいてない。



頼むから。あの男の子となんか考えんなよ。



今は俺の女なはずだ。



過去の男の事なんか忘れろよ。



でも、いつものように強引にそう言えない自分がいる。



それは、こいつを無理矢理傷つけたから。



俺には負い目がある。・・・だからこれ以上強引にすれば、澄子を押しつぶしてしまう。



何も出来ない自分に嫌気がさす。



目の前にいる自分の女は違う男の事を考えて、それに対して文句も言えない自分。



俺といるのに他の男のことを考えてしまうような環境を作っている自分。



何もかも、嫌になった。



嫉妬も、独占欲も、こいつを好きになってから知ったもの。


まぁ、最初は少し嬉しかったんだ。



そんな感情が自分にもあったってことが。



でも今は、そのせいでこいつを押しつぶしそうだ。