いやだ･･･いやだ･･･
「本当違うの･･･」
「･･･ｸｯ」
猛の肩が一瞬ゆれた。
「？」
不思議に思って顔を上げたところで、私は背筋が凍るような感覚に襲われた。
猛が笑ってる。
肩を揺らして、笑ってる。
だけど、目が笑ってない。
口元を少し上げてるだけ。
冷たい、笑い。
「お前さ？本当、バカだよな？」
いつもと同じ台詞なのに、顔が笑ってない。
「嘘、つけねーよなー。本当」
「っ！」
「そんな態度とったらさ？あの男の事考えてましたーって言ってるようなもんだろ？」
私の台詞を棒読みで言い、そう吐き出した。
猛？？待って、ちゃんと話を･･･
「聞いて？渉とはっ」
「呼ぶな！！」
