無口なDarling



初めて“恋バナ”を聞いてから2ヶ月がたった。季節はもう春に差し掛かっていた。




俺は未だにこの心にある感情をすんなり受け入れられはしなかった。



好きなんて感情、俺は知らない。


女を好きになった事なんか、俺は無い。



それでも、この2ヶ月の間俺と澄子は少しだけど喋るようになり、俺やっぱりあいつと喋った後は心が満たされた気がした。




そして、俺たちは2年になった。学年が変わり、クラスも変わる。・・・同じクラスになるかと思ったが現実は厳しかった。


「猛!お前何組?」


賢が俺の隣に来て、騒いでいる。


「あー4」


「マジ!?また一緒だな!」


・・・お前とはどうでもいーんだよ。



澄子とは、結局3個離れた組だった。


___________________________



「俺、屋上行って来る」


賢にそう言い、俺は屋上に向かったが、そこには先客がいた。それも学年主任と担任の二人。

・・・あいつらデキてんのかよ。



結局久々にあの“恋バナ”が始まった場所に行くことにした。他に人目の無い場所がないからだ。



すると前のように植木の向こう側のベンチに澄子たちが座ってきた。




・・・やめろよ、もうお前が他の男の話するのなんか聞きたくねーんだよ。




「ここに来るのも久しぶりだねー」


そう澄子が言った。



・・・そうなのか?