教室に戻ると、賢が席に座りながら弁当を食っていた。
「猛お前、煙草なんか吸ってねーで何か食えよな?」
昼休み、飯を食わずに煙草を吸いにいく俺にそう言う。
「あ~いつも朝飯遅ぇから、腹なんか空かねーんだって」
少し喋っていると教室にあの女が来た。
いつも近くで話している女、多分澄子って方だと思う。
・・・初めてちゃんと見るかも。
細くて白いすらっと伸びた足。
クリっと大きな目。
肩に触れる髪はスッゲー綺麗。
俺の周りにいる女とは全然違うタイプ。
「・・・る・・・猛!」
賢に呼ばれて我に返る。
「なんだよ、猛澄子ちゃんの事ジーと見て。」
・・・こいつ知り合いか?
「委員会一緒なんだ。すっげーいい子だよ」
「別に。興味ねーよ」
なんて口では言ったけど、すっげー気になった。
白い肌に吸い込まれそうになったから。

