「うーーん・・・」


悩むあたし。


どうしてあたしは
あんな奴に・・・


全然分からん。


単純すぎるな、
あたしって・・・。


「おーい。柳原!」


「うーーん・・・」


「柳原?」


はっ・・・!


我にかえるあたし。


そこには
矢野先輩の姿が。


「どーした?」


あたしの顔を
覗き込む矢野先輩。


突然、矢野先輩の顔が
近くにきた。


「!?・・・・えっ・・・あの」


赤面するあたしをよそに、

矢野先輩は
それでも顔を離さなかった。



なんだろ。


この展開・・・!!


し・・幸せすぎる!!


「悩み事か・・?」


矢野先輩は
そう言うと、離れた。


「え・・・いぇ・・ただ、

どうしたら、
早く打てるのかなって・・」


あたしは
とりあえずごまかした。


長瀬先輩のことで
悩んでるんです〜・・って

言えるはずがない。



だって。



「侍♪」



長瀬先輩は後輩の前で、
お面を逆に頭に立て、
木刀を片手に持って
そう叫んでいた。



あんな馬鹿みたいな奴を

好きなんです・・・




絶対、
引かれるに決まってる!


てか、
そうだよ!!


きっとあれは
単なる急だったから
照れたんだよ!!


そう・・そうだよ!!


あたしは
矢野先輩が好きなんだ!!


あたし
何やってんだろ。


あんな馬鹿みたいな奴、


嫌いに決まってる!