あれから
時が過ぎ・・・


いつの間にか
運動会も終わり、
三年生は引退していた。


あのあとのあたしは
長瀬先輩と矢野先輩とは

何もなく、
普通の生活を送っていた。


11月。


今日は
明日の秋華祭の準備で、
部活はない。


「ねー空。
空って彼氏いたっけ?」


親友の彩が、
あたしにそう尋ねる。


あたしは
下を向いて、


「好きな人はいる・・・」


小さな声で、つぶやく。


「えっ!?それ初耳なんだけど!」


うん。


だって誰にも言ってないから。


「矢野先輩っ??」


彩は自信満々に
そう聞く。


あたしは
その自信を壊すかのように

笑いながら、

「ぶっぶーー♪ハズレ〜♪」


彩に言ってやった。


彩はそれを聞いて、
悩むかのように
黙り込んだ。


どうやら、
矢野先輩だと思っていたようで


他の人は
浮かばないようだった。



「じゃあ誰??」


彩はあたしにそう聞く。

段ボールに詰まった
紙の花をあたしは
壁に付けながら、


「それは・・内緒♪」


笑顔で答えた。


「えーー??なにそれー」


「内緒は内緒♪」


彩の膨れる顔が、
あたしはすごく好きだった。


「じゃあ・・告白はしたの?」


・・ポロッ


手に持っていた花を
あたしは落とした。


「あっ・・・」


それを見た彩は
にやけながらあたしに言った。


「告白してないんだ?」

「うるさいなぁ・・・」


花を拾うと、
それを壁に付けるあたし。


こーゆう時の彩は
本当疲れる。


「してないんだ?してないんだ?」


「・・・もー早く終わらせよーよ」


「やっぱり
してないんじゃん!」


彩があたしに
そう言い続けてると・・


・・ガララッ


突然教室が開く。