それから
一週間過ぎ・・


あの後、あたしは
矢野先輩に社会の
歴史や地理などの用語を

どう覚えたら、
頭に入るのかあたしに
教えてくれた。


矢野先輩が言った事を、
あたしは一生懸命メモをとった。


長瀬先輩はあれからあたしに

話し掛けて来ない。


長瀬先輩が
話し掛けて来ない日は、

平和そのものだった。


宿題も矢野先輩のおかげで

自力でできたし、

あたしは矢野先輩と
喋れるだけでいい。


そう思っていた。



けれど

その思いは
一瞬で掻き消された。



そうそれは
突然やってきた。



「グッドニュース!!」


優達が騒ぎはじめる。

あたしは何事かと、
みんながいる部室を覗いた。


「今な!!長瀬先輩が、
告白されてた!!」


「・・・!!?」


突然の優の言葉に、
あたしは息が詰まる。


え・・・?
長瀬先輩が・・・?


驚いたあたしをよそに、
優達は盛り上がる。


「誰にだよ!?」


あたしは思わず、
部屋の扉から離れた。


それは優が扉の方に、
向かってきたからだ。



ガチャン・・



扉を閉めると優は、
話を進めた。


「あの山崎さんらしいよ!?」


「えーーー!!?」



山崎さん。



その人は、
この学校の中で1・2位を争う

可愛くて人気のある
あたしの一つ年上の先輩。


そんな学校の
アイドル的存在の人に


長瀬先輩は
告白された。