涙が愛しさに変わるまで



「あ?なんで俺が?」



桐沢社長はめんどくさそうな顔をして、渋々頷き電話をきった。



「まー子。今日俺帰るから、あと書類整理とかしておいて。」



「え……あ、はい。」



なんで帰っちゃうの?



こんなこと初めてで、凄く泣きそうだった。



実際目も潤んでる。



あたしがうつむいていたら、頭の上に手がのった。



「そんな悲しがんなよ〜。泣き虫まー子〜」



桐沢社長は笑いに変えてくれたけど、今のあたしには笑えないよ。



「別に悲しくなんかないです。」



こんな時にまたあたしは強がってしまう。