涙が愛しさに変わるまで



そして会社を辞め、大阪に引っ越してきたとき亮と再会したんだ。



亮は桐沢社長を忘れなくていいって言ってくれた。



それにあたしも、亮なら無理しないで自然に忘れられる気がした。



……だけど実際、あたしは桐沢社長をずっと忘れられてない。



亮と付き合った今も。



亮は桐沢社長と違って凄く優しい。



それに凄くあたしを喜ばせようとしてくれる。



……だけど桐沢社長と違いすぎて、逆にあたしは桐沢社長が恋しくなる。



……ずっと気づいてないフリをしてきた。



だけどもう……気づかないフリをするのも疲れたよ。