涙が愛しさに変わるまで



単純に嬉しかった。



だけど「あたしも好き」なんて言うことは出来なくて……。



亮の言葉にドキドキすることもなかった。



あたしの心臓はもう反応しないのかな?



年だから?



そんな冗談で脳を騙してた。



そうやって本当は気づいてることをわざと気がついてないフリをしてたんだ。



だけどそうやって気がついてないフリをしたほうが、きっと楽だったんだ。



だからあたしは自分を騙して、亮に微笑んだ。



亮……ごめんね。