涙が愛しさに変わるまで



あたしは自分が子供っぽいって言われたことに落ち込んでた。



それは……あたしが桐沢社長より年下で……それを気にしてたからじゃないのかな?



なにもかも大人な桐沢社長との差を気にしてたからじゃないかな……?



あたしは声を殺して泣いた。



亮に気づかれないように……。



「あーついた。観覧車ってこの遊園地の一番はじにあるんだ……」



あたしは亮の声で観覧車の前に来てたのに気がついた。



下を向いて歩いてたからわからなかった。



「ほんとだー。おっきいね。」



あたし達が観覧車前についたころにはもう涙は乾いていた。



ただ……あたしの楽しみにしていた心も涙と一緒に流してしまったらしい。



人もあまり並んでなかったから、すぐに乗れた。



観覧車の中で二人は向かい合わせに座った。