視線を逸らしながら言えば何か独り言をブツブツ言い出した。


………正直コイツといたら殴りたくなってくるから俺、移動したいんだけど。


あからさまにため息をついて羽塚の方に向けば何か思いついた感じで話しかけてきた。


「なぁなぁ、昼ご飯一緒に食わねぇ? 女子は五月蝿いからさ」


…まさかの展開。


てかコイツは姜を探してたんじゃねぇの?


思っていることが顔に出ていたのかその疑問に答えた羽塚。


「今日はやめとく」


つーかなんで俺がコイツと一緒に昼ご飯食べなきゃなんない訳?


今日は姜が無理って言ってたから一人だけどさ。


しかも姜のことがあるからコイツと仲良くなんて無理な願いだ。


人の考えを知らないってある意味幸せだよな…そう考えると。


でも女子が五月蝿いのは分かる。


俺もそれで散々苦労したから。


しょうがねぇ…今日だけ休戦とするか。


「いいよ。 こっち」


裏庭に向かうのはやめて特別棟の空き教室へと向かったのだった。


裏庭は姜との秘密の場所。


誰にも踏み込まれたくないから───…。