いつか夢に出た夏目漱石の褒め口上よりすばらしい言葉は、チアリーディングの女の子の声より馬鹿でかかった。って事。 「私は好きだよ!きみのこと!!」 こころ。 ……君の事、好きになってきたよ。 「だって友達なんだから!」 ――ごめん、前言撤回。 なんだって? 呪いの市松人形がご機嫌に笑う。 お昼休みが終わりそう。 チャイムの音が、桜の花を叩き落として……。 岬さんが笑った。 これが僕とこころの、友達としての第一章。