パシッと顔を触られる前に掴まれてしまった手。 『えっ…んっ…!』 何故かそのまま塞がれた唇に何が何だか分からない。 『ふっ…ん~~!!』 塞がれ続ける唇に私はどう息をして良いのか分からず苦しくて涙が出る。 抵抗しようにも、右手は掴まれたままだし左手は腕ごと片手で抱き締められてる。 ―パッ 電気が付いたと同時に離された唇と手。 『はぁ…はぁ…』 体が酸素を求めてる…。 「ふ~やっと付いた!暗い中、ブレーカー探すのって大変ねぇ~」 そんな呑気な母親の声が聞こえる。