先生がいた。

「えぇっと。先生今日の離任式で違う学校に行っちゃうんですか？」
「やっと言えたな。今日なぁ・・・。そぅなんだよ。寂しいなぁ。やっと皆と仲良くなれたとこだったし。」

聞いた途端ショックだった。
私がどう反応しようか困っていると美由が話してくれた。

「えぇ～～！まじで！？あぁ～～、かっなし～ぃ。ざんね～～ん！！」

いい調子で美由がふざけてくれたから私ものっかる。

「ほんとざんね～～ん。さみしぃな～～。行かないでぇ。」

先生。これにはちゃんと本音もはいってるから！

「うゎ。ひどい。何その心のこもってない言い方！お前らと離れるの寂しくて、俺ハンカチ持ってきたのに。」

そんな事をいいながらスーツのポケットからハンカチを取り出して、わざとらしく目頭を押さえる。そんな仕草が可愛い。

「ま、式を楽しみにしてなさい。それじゃ。」

そう言って先生は靴箱へ向っていった。