先生がいた。

自分でもわけが分からず、それからずっと田中先輩のことを言っていた。

「もう今年先輩卒業しちゃうんだよぉ!!どうしよ~~!!まだちゃんと想い伝えてないのにっ。」
「いや、まだ夏だし。全然心配しなくていいでしょ。」
「そうでもないよ!準備は早いうちにした方がいいに決まってる!」

自分に嘘をついているのか、それともこれが本当の気持ちなのか分からなかった。
もうどうでもいいと思った。
先輩がかっこいい。
背も高くて、勉強もできて優しくて。

涙がでそうになったから水にもぐった。
ここがプールで良かったと思った。