先生がいた。

とは言っても、さすがにいつもの様にはふるまえず。
なんだか心に穴が開いたようだった。

「美紀。お前、あの先輩どうなったの?」

先生がいつもの様に笑顔で聞いてくる。

ちなみに「あの先輩」とは、私が先生に恋をしている事を悟られないために日ごろ好き好き言っている先輩のこと。
別に遊んでるわけじゃない。
本当にかっこいいと思ってる。

「田中先輩ですか?いや、もうかっこいいですよ!」

失恋した途端、何が正しいのか分からなくなった。
先輩のこと本当にかっこいいと思っているけど、私が好きな人は先生だ。
だけど、もうその恋は叶わない。