「大丈夫!

ちょうど座るところあるよ!!」




「…そっか。
そぅだったね」




鳥はまだ
そのベンチにとまったまま動かず、

ただ空を見つめている。




「んーと、まずね、

その思い出は、
ママにとっての運命の人とのお話なの。

しかも実は、
その人と出会ったのは、
まさにこの
『運命をつなぐ鳥』
がいる、今ママと茜が座ってるベンチなんだよ」



少女は予想外の話に
目を丸くした。



「えーーっ!!!

すごぉーい!!

ママはじゃぁこのベンチに座るの、2回目だね!」




「うん、そぅ。

茜は特に
不思議な感じだよね?」




「んー…変な感じ?

…あ、
それでママどーなったの??」




「うーん…。

この先を聞いたら、

茜もなんとなく

『運命』ってなんだか、
分かるかもしれないね」




「本当に!?

早く聞きたい!!」




少女は目を輝かせて、

さらに深く耳を傾け始めた―…。