母親は少し驚いた表情の後、黙り込んでしまった。




「ママ、どぉしたの?」




少女は心配そうに
母親の顔をのぞき込んだ。




「…んーん。大丈夫だよ」

「…ただ、ママの昔の思い出を思い出したの」




「そーなの?」




「…うん。

ねぇ茜、
運命ってなんだろうね。

ママにもぜーんぜんわかんないや」




「えーっ!!

ママにも分かんないことあるんだぁ!?」



母親はふっと微笑んだ。



「ママにだって分かんないこと、いーっぱいあるんだよ?」




「ふーん…

じゃぁ、ママが知らないなら、誰が知ってるの?」