「あ?」
「…あのっ
ありがとう!
なんか…色々と…さ」
意外だったのか、
聡は一瞬驚いた顔をした後、
なぜかすぐに目をそらした。
そしてドアの方へ歩き、
やっとこっちを向いたと思ったら、
私が予想しないほどの眩しさと柔らかさがそこにあった。
「ばーか。
誰がお前の面倒なんか見るかっての!」
悟は耳まで赤くして、
おもいっきり笑った。
カーテンから挿す光は、
そんな聡をさらに明るく照らしていた。
あーあ、
だから見え見えだってのに…。
どうして聡は
こんなに素直なんだろう。
私はこの時まだ知らなかった。
聡の私への想いも、
この後出会う、
聡以上に引き寄せられる
存在も。
そしてこの先、
その人がきっかけで
私自身が光を見つけられることも。
「聡ってさぁ、
分かりやすいよね(笑)」
「えっ!?」
「あはは!!
ほら、帰るよー」
そう言いながら、
私も鞄を持ち、
ドアを開けた。
