傷つけたくなくて…。
大事に、大切に守ってきた。

それを自分の手で、壊したくない…。






「君は…それで本当にいいんですか?」
松下は納得がいかない、という顔で京子に問うた。




1年前のあの日。
松下のおかげで京子は泣かずに、自分を保つ事ができた。
だから…、京子は松下にだけは嘘はつかない。




「麻美が幸せならば」




京子はそう言って、悲しげに微笑んだ。