ココロ カラダ カケラ

結局、京子は指を伸ばしてタバコを一本だけとり、それをくわえた。
松下がそれに火をつけ、京子はゆっくりと吸う。

「…ーーッ!ゴホッ!」

噎せる京子に、松下は苦笑を漏らした。

「初めはそうなりますねぇ」

「…先にッ、ゴホッ、言って…下さいッ…!!」

涙目になって文句を言う彼女に、松下は笑顔を向けた。

「でも何も考えなくていいでしょう?」

にこにこと笑う松下に、京子は溜め息を吐いた。
タバコをゆっくりと吸い、煙を吐く。

「似合いますね、冴木さん」

「ありがとうございます」

しばらく二人は沈黙した。




その沈黙を破ったのは京子だった。