ノゾミとの約束を
破ってしまい
リカはお客さんと
番号交換を始めると
指名本数は
どんどん増えていった。


けれど
これ以上ノゾミを
裏切りたくなかったから
同伴やアフターは
絶対にしないと
リカは心に決めていた。

そして今日も
出勤と同時に
お客さんが入ってくる。


『リカちゃん
お願いします!』

ボーイと共に
席に向かうと
リカの常連客トモ君が
来てくれた。

トモ君は
リカの3つ年上の22歳。
仕事は鳶職である。

トモ君は
若いのに親方で
リカの事も
妹の様に接してくれる。

リカ自身も
トモ君は
お兄ちゃんの様な
存在であった。


トモ君と話をしていると


『いらっしゃいませ!
2名様ご来店です!』


次々と
お客さんが入ってきた。

(どんなお客さんだろう…)


毎回気になって
リカは入り口を見てしまう。