「きれ~」
慶輔の家は、男の家と思えない程、綺麗だった。
今まで、付き合ってきた男は、けっこぉ~部屋散らかってたからなぁ~。
「まぁ、そこ座れ」
慶輔に指されたソファに腰掛ける。
「ほら」
「ありがと」
慶輔に紅茶を頂いた。
この匂いは、オレンジペコかなぁ~。
けっこぉ―いい趣味してんのよねぇ~。
「真凜」
「な、何?」
「親父に依頼された仕事、引き受けンの?」
「……う~ん。
考え中?」
「いや、こっちが聞いてンのに、疑問系で返すなよ。」
「ごめん、ごめん。」
「いや、謝る程でもねぇけどさ。」
「あたしさぁ、
この仕事始めて1年位経つンだけど……、
マンションのデザインとかしたことがないんだよねぇ。」
慶輔は、相槌を打ちながら、聞いてくれる。
「だから……
あたしに出来ンのかなぁ、と思ってさ。
だから、その場で、引き受けなかったの。
でも、この依頼って、あたしにとってチャンスでしょ?
それで、断れないのもあって……。」
「いろいろと考えてンだな。」
「当たり前じゃん。
仕事だよ?」
ヤバッ!!
なんか、仕事命!
の寂しい女みたいに聞こえる……。
「慶輔は!
何の仕事してんの?」
「なんだよ。いきなり……。」
「いいじゃん。
知りたいの!」
「黒田不動産の専務やってんの。」
「そっかぁ。
言われてみればそうよねぇ。
じゃなきゃ、あんな仕事頼まないもの。」
〈ピロリロリッ ピロリロリッ〉
「げッ
零からだ……。」
怒ってるかなぁ。
え~いッ!
「も、もしもし……。」

