《慶輔side》



真凜を初めて見かけたのは、社交辞令が嫌いな俺が渋々出た永田(ながた)財閥の50周年祝いパーティーだった。



永田財閥の総帥に親父と挨拶してるときに俺の横を通ったのが真凜だった。



こいつには口が裂けても言えねぇが、一目惚れだった。



何故かわかんねぇが、他のヤツには持って無い独特なオーラを感じた。



アイツに……真凜の目に吸い込まれそうになった。




そんときから、俺は真凜を気にし始めた。





それから、1ヶ月後……



俺は、また真凜にあった。




それは、今回も渋々出たパーティーだった。



この前と違うのは、永田財閥のパーティーではなく、真凜の実家のパーティーだった。



俺は、真凜が倉持財閥の長女だと、初めて知った。



真凜を見かけた瞬間、何故だかわかんねぇが、俺は咄嗟に真凜の腕を掴んでいた。



もちろん、真凜の反応は当たり前のもので……
でも、俺にとってその反応は新鮮だった。



今まで、俺に近づいて来た女は、金目当てだった。



だが、コイツは俺の行動を嫌がった。



何故か俺は、その真凜の反応が嬉しかった。







次の日……



俺は、仕事のため実家で今回の親父の依頼を受けてくれる有名なデザイナーを待った。



まさかそのデザイナーが真凜だったとは、想像も出来なかった。



正直、真凜の顔を見た瞬間焦った。



真凜も俺と同じ反応をしてると思うと、顔がニヤけそうになったのを必死で、平静を装って……。






真凜が部屋から出てったあと、俺は、真凜を引き止めた。



コイツを離したくないと思ったからだ。



俺の独占欲には、相当呆れる。



逃げるかと思ったが目の前に居るコイツは、秘書を先に行かして、待ってくれた。