《慶輔side》



「はぁ~」



俺は、本日何回目かの溜め息を吐いた……。




一人になると、考えるのは、真凜のことばかり……。




アイツは……、


俺が同居の話を持ち掛けたとき、不満な顔をしていた。


なのに、アイツは普通に引越しの準備をした。


何を考えてんだ?


アイツは……。




「はぁ~」



またしても溜め息を吐いてしまった……。



「あんま、溜め息ばっか吐いてっと、幸せ逃げんぞ」

「∑親父!?居るなら言えよ……」

「いや、どう考えても喋り掛けにくい雰囲気だっただろうがァ」

「んあァ?そうだっけ?」

「自覚ナシかよ(呆)で、お前は何悩んでんだ?」

「…………」

「真凜ちゃんのことか?」

「∑ッ…………!!」




何でわかんだよ



「何でわかるかって、顔してんな?当たり前だろうがァ!俺は、お前の親父だゼ?」




はぁ~


全部お見通しって、訳か……。


「アイツの考えてることがわかんねぇんだよ……。同居つったら、嫌な顔すんし、そのくせ、引越しの準備しやがる……」

「……何も」

「え?」

「何も考えてねぇんじゃねぇのか?」

「はぁ?」

「いや、仕事面では、しっかりしてたけど、プライベートでは、わかんねぇじゃねぇか」

「まぁまぁしっかりしてたぞ?」

「まぁ、直接本人に聞け。考えてた自分がバカだと思えるがな」

「それが出来ないから、悩んでんだろ?」

「まぁ、そうだな」