あたしは今、急いで会社に向かっている。



あれからどうなったかというと……。

なんとかしてどいてもらった。
その後は、何事も無かったかのように兄と一緒にパーティーを終わらせた。



「おはようございます。」


いつものように皆があたしに挨拶をする。



あたしの職業はデザイナー。
“aqua marine”という有名なブランドの社長をやっている。ちなみに“aqua marine”は、あたしの作ったブランド。



「はぁ~(呆)」


昨日のことがあったせいで、ついため息を漏らしてしまう…。


「何ぼ―っとしてんすか?真凜さん!」

「あぁ、ごめん、ごめん。」



いきなり秘書の零(ぜろ)に声を掛けられて、びっくりした。


もう!!
びっくりするじゃない!!


「あ!それより今日の予定なんすけど……。10時から黒田財閥の営業が入ってるんすけど……。」

「ん―。わかった―。」



あたしは手を動かしながら返事をした。





9:30am



「よし!そろそろ行くか!」

「はい!」



あたしと零は車に乗った。





「着きましたよ。」



零の言葉であたしは車から降りた。



「けっこ―、広いわねぇ。」

「そうっすね。でも真凜さんの家も広いっすよ。」

「ん―?そう?」

「そうっすよ。俺ら一般人からしたら広いに決まってるじゃないすか。」

「まぁ、そうね。」



あたしと零はそんなごく普通の会話をしながら部屋へと案内された。



《コンコン》

「失礼しまぁす。」

「どうぞ。」


あたしと零は部屋に入った。



ん…?
何か見たことある人がいるんだけど……。

あ゛!!
昨日のあの男じゃない!!
アイツ、黒田財閥の坊っちゃんだったんだぁ……。



「どうかなさいましたか?」

「い、いえ!なんにも……。」

あたしは我にかえった。

ダメダメ!
仕事に集中しなくちゃ!



「ところで、今回の依頼の件なんですが……。」

「あぁ、今回新しいマンションを建てようと思いまして……。そのマンションの部屋をデザインしていただきたいと……。」

マンションのデザイン!?



あたしの職業はデザイナーなので、服などのデザインだけでなく、喫茶店とかのデザインとかもするんだけど……。