「ハクション!」


いろいろありすぎて、ぼーっとフリーズ。
気づいた頃には、もう夕暮れ。

4月後半と言っても、まだ日が落ちる頃になると肌寒い。

豪快なくしゃみが屋上になり響いた。

「寒…い。」
上着は、教室に置いてきちゃったし。
かと言って、扉しまってるし。

どうしよう…。
「しょうがない…。」

私は、しゃがんで身を縮めた。
それでも、寒かったけど、まだ突っ立っているよりかはマシだった。

(あーあ…。
こんな事になるなら、スカートの丈もうちょっと長くしとくべきだったな…。)

私と、あずだけの屋上は
コンクリートのせいもあってか


思った以上に寒かった。

バサッ。

突然、目の前が真っ暗になった。

(え?さっきまで太陽でてたよね?
日が落ちるの早すぎない!?)

いや、これは日が落ちたんじゃない。
何かをかぶせられただけだ。

(あ…、あずのにおいだ。)

かぶせられたのは、あずの上着だった。

「それ、着ときなよ。


女は体冷やしちゃダメだろ。


そ、れ、と。こっち来い。」

「わっ…!?」

あずは、突然私の手を引っ張った。