その時点であたしは笑顔を出すのが困難になったのだけど。 「……もう少し説得力のある言い方に変えた方が良いわね。家でしっかり考えて来てちょうだい」 2時間もの練習で、定時を過ぎた頃。 腕時計を見た姑が立ち上がった。 「……はい。ありがとうございました」 「頑張って取るのよ」 「はい」 出ていく姑に頭を下げて、机の上を片付ける。 帰り道、通りかかるカフェ。 視察後、カフェには一度も行っていない。 また、あそこで三浦さんと会ったらどう反応すれば良いか分からないし。